エフルはカーテンとブラインドなどに特化した「総合事務所」として運営しています。「総合」というのはカーテンやブラインドの必要な現場であれば一般住宅でも、サ高住、病院、店舗など、どんなジャンルの建物でも引き受けますという意味合いで使ってます。ではなぜ店舗を構えてた専門店の様に住宅などにジャンルを絞らないのか、、答えは「仕事が面白いから」でしょうか。同じカーテン、ブラインドを納品したとしても、住宅とサ高住、いわゆるハコ物ではそのアプローチの仕方が全く違います。まるで全く違う仕事をしている様にも感じます。今回はどんな違いがあるのかお話ししたいと思います。
サ高住などの公共物件の場合、まず物量が圧倒的に住宅とは異なります。その場合カーテン生地の発注から気を付けるポイントがいくつも出てくるのです。
まず在庫です。大体メーカーで在庫しているカーテン生地の在庫数量は一品番に付き200~400m強。公共物件は窓数も多いですが、一窓も大きいので生地の発注が何十m、何百mとなります。ほぼ同じ品番で決まると現在庫を全部必要とする数量になり、また足りない場合もあります。その時はフロアーごとに色を変えて頂くか、別の対応が必要になります。ま、これは竣工ぎりぎりで相談を受けた場合です。ほとんどは数か月前から打合せがすすんでいくので、事前にメーカーには売止め予約を入れます。そうする事によってメーカーは生産計画を立てる事ができ、一度に何百mと出荷してしまっても欠品を起こす心配が無くなります。たまに10mくらいのオーダーを入れても欠品で1ヶ月ぐらい納期待ちする事があるのですが、これは逆パターンでどこかの物件で突然大量の発注があり在庫が無くなってしまった、、という結果です。なのでefulでは予め決まっている現場は少量の住宅でも売止めはかける様にしています。ちなみに何千mとなればメーカーに生産にどれくらいの期間を要するのかを確認して、逆算しながら品番決定のリミットを決めていきます。
次に生地の発注です。仮に品番〇〇〇が全部で164.9m必要となった場合「164.9m」と一括で発注出来る訳ではありません。カーテン生地は1本が50m巻き、100m巻きなどと生産規格が決まっています。なので品番〇〇〇が1本50m巻の商品だった場合その範囲に収まるメーター数、本数で発注しないといけません。例えば「46.5m、48.8m、40m、29.6m、各1本、計164.9m」です。それとなぜ50m×3本、14.9m×1本、計164.9mではだめなのでしょうか。それは1窓、1窓サイズ、柄に応じて縫製するのに必要なm数が変わるからです。1窓で必要な数量を適当に2本の生地で納品してしまったらカーテンを水平ラインで生地を継ぐ事になってしまいます。実際にはそんなカーテンは商品として既製品でもあり得ません。8.5mが6窓だったら42.5m(8.5×5)と8.5mで生地を発注するのが正解です。
それに比べて、住宅の場合は生地の取りを深く考える事は少ないですね。
でも住宅、店舗などはまた個々に特色があるのでそれは次の機会に。